はじめに
ソビエト製の蛍光表示管 IVL2-7/5 を手に入れたので、とりあえず点灯させてみました。
データシート
こちらを参考にしました。
また、簡単な翻訳、文字起こししたものをこちらで公開しています。
これをもとに PDF 化したものも用意しました。
使用機材
IVL2-7/5
モータードライバ
ちょうど手元にあったのでこれを使いましたが、他のものでも大丈夫だと思います。
24V 電源
2.1mm標準DCジャック⇔スクリュー端子台
上記の 24V 電源をブレッドボードに繋ぐために使いました。
Arduino UNO
点灯してみた
フィラメント(ピン 1, 16)に DC/AC を印加することで、輝度に違いが出てきます。
DC の場合は左に行くにつれて暗くなりますが、 AC だと全体が均一に光ります。
DC
光ったー pic.twitter.com/Z7CL7bRPlO
— アーサー㌠ (@KokToH_kuro) 2021年6月6日
AC
プログラムが間違ってて、 AC になってなかった
— アーサー㌠ (@KokToH_kuro) 2021年6月7日
修正したら、輝度が一定になった
これが本来の姿 pic.twitter.com/o3vnXCtNJF
説明
DC
ただ線をつなぐだけでいいのでお手軽です。
回路図
フィラメントに DC を印加する場合の回路図です。
単3電池2本 3V を使用しました。
IVL2-7/5 側の GND は 24V 電源の GND に繋げています。
AC
DC-AC の変換が必要になるので、ちょっと複雑になります。
今回は、モータードライバをインバータの代わりとして、疑似的な交流を作り出しています。
それをフィラメントに印加しています。
回路図
TA7291P に 5V をかけてますが、2V くらい電圧降下するとどこかで読んだので、たぶん出力は 3V くらいになってると思います。(未検証)
IVL2-7/5 側の GND は 24V 電源の GND に繋げています。
プログラム
#include <avr/io.h> #define OUT_PINA 9 #define OUT_PINB 10 unsigned int freq = 60; float duty = 0.5; void setup() { pinMode(OUT_PINA, OUTPUT); pinMode(OUT_PINB, OUTPUT); TCCR1A = 0b10110000; TCCR1B = 0b00010010; ICR1 = (unsigned int)(1000000 / freq); OCR1A = (unsigned int)(1000000 / freq * duty); OCR1B = (unsigned int)(1000000 / freq * duty); } void loop() { }
Arduino UNO の Timer1 を使用して、60Hz でピン 9, 10 の ON/OFF を繰り返し、疑似的な AC 60Hz を出力しています。
こちらを参考にさせていただきました。
簡単な解説
TCCR1A
, TCCR1B
で PWM の設定をしています。
各ビットは以下のようになっています。
ビット | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TCCR1A | COM1A1 | COM1A0 | COM1B1 | COM1B0 | - | - | WGM11 | WGM10 |
TCCR1B | ICNC1 | ICES1 | - | WGM13 | WGM12 | CS12 | CS11 | CS10 |
WGM13
~ WGM10
で、生成する波形を設定します。
COM1A1
, COM1A0
でピン9、 COM1B1
, COM1B0
でピン10の PWM を制御します。
CS12
~ CS10
でクロックを設定します。
今回指定した値とその設定は、以下になります
WGM13 | WGM12 | WGM11 | WGM10 | 設定 |
---|---|---|---|---|
1 | 0 | 0 | 0 | 位相・周波数基準PWM(TOP 値 = ICR1 ) |
COM1A1 | COM1A0 | 設定 |
---|---|---|
1 | 0 | カウンタが OCR1A - TOP値のとき LOW、0 - OCR1A のとき HIGH |
COM1B1 | COM1B0 | 設定 |
---|---|---|
1 | 1 | カウンタが OCR1B - TOP値のとき HIGH、0 - OCR1B のとき LOW |
CS12 | CS11 | CS10 | 設定 |
---|---|---|---|
0 | 1 | 0 | 分周比8 |
これを TA7291P に入力することで、疑似的な交流を作成しています。
おわりに
以上、 IVL2-7/5 を点灯してみたレポでした。
せっかくなので、時計を作るくらいはしたいなーと思ってますが、いつできるかはわかりません。